役に立つかは別として

頭の中にあるゴチャゴチャを出しとけばスッキリするかも

毎日、少し、救われている

キウイが死んじゃった翌日、ずっとお世話になっていた獣医さんのところに報告とお礼に行った。

 

垂れ目で、動物大好きオーラが全身から出てる男の獣医さん。

キウイと一緒に日本に来て、さてこれからどの獣医さんにかかろうか?と迷っていたときに、知り合いが「うちのコ、あのせんせいが大好きで大好きで」って言うのを聞いて決めた。

初めて診察に行ったとき、聴診器を使わず、いきなりキウイを抱き上げて直接耳をつけていた。びっくりした。

心音がおかしいと気づいてからは聴診器使ってたけど。

 

そして弁膜症って診断して「いつポックリ逝っちゃってもおかしくない状態です」と淡々と言った。あたしの目をまっすぐ見ていた。

 

それでも、数年に渡って「このコは◯◯だからこうしなさい」とできることを細々と指示してくれて、容態が変わるたびに薬の調整もいろいろ考えてくれて、「頑張るね、このコ」と声をかけてくれていた。

 

最後の報告に行ったときは、その時の状況を「何時頃?」「ご飯はどうした?」とか細かく訊いてきて、

「話を聞いた限りではね、弁膜症が原因ではないです。弁膜症は酸欠になって死ぬんです。でもこのコは年齢とともに心臓全体の筋肉が衰えていってとうとう力尽きたって感じですね。このコは老衰です」

って言ってくれた。

 

そして、

「ああいう状態の場合、薬飲み始めてから1年もてばいい方なんです。でも3年以上もった。最後までご飯も食べようとして……最後まで犬らしく生きることができました。ありがとう」

と言って、立ち上がって深々とあたしに頭を下げた。 

 

キウイ、あたしたち、幸せだったよね、こんなせんせいにめぐり合えて。 

 

「このコは老衰です」

毎日、少し、救われている、この言葉に。

 

 

 

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