今朝、テキサス州オースチン在住のアルマジロさんのブログを読んでいたら
Buc-ee'sが出てきて、「そうだ、あたしBuc-ee'sに注目してたんだよ、だから4月にテキサス行ったときわざわざ3店舗も訪ねたんだよ!」と思い出した。
……ので、今ごろ書くのもなんだけど、Buc-ee'sについて書きたい。
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Buc-ee'sというのは、テキサスのガソリンスタンドチェーン。今は他州にも展開している。
あたしがテキサスに住んでた頃はBuc-ee'sなんてなかった*1。でも、今回テキサスに行ったらどこに行こうかなぁと考えていたときに「Buc-ee's行ったことある?行ってみるといいよ!」とオススメされた。「めちゃくちゃ広いよ!トイレも綺麗だし、ブリスケットのサンドイッチも最高だよ!」と。
それでちょっと調べたら、2023年にBuc-ee'sがテネシー州でオープンした店舗が世界一大きなガソリンスタンドかつ世界一大きなコンビニとかで、その広さはほぼ7,000平方メートル(アメフトのフィールドの1.5倍)、給油ポンプの数は120というとんでもないスケールだった。そして、テキサスのケイティにある店舗のセルフ洗車機は世界一長くて78メートルあるんだそうで。
めっちゃテキサスじゃん!笑
ちなみに、今確認したら、世界一タイトルをテキサスに戻すべく、2024年5月にテキサスのルーリングにある店舗をテネシーのよりも若干大きくしてリニューアルオープンさせていた。ご丁寧に「今後、他州ではこれ以上大きいのは作らない」という宣言付き。
めっちゃテキサス人じゃん!笑
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ちょっと脱線。
テキサスのサンジャシントにはサンジャシントの戦いの博物館にもなっている塔がある*2。このモニュメントは1939年にテキサスのジェシー・ジョーンズっていう実業家が建てたんだけど、ジョーンズ氏は建設許可を得る際に、ワシントン・モニュメントよりも高くしてはいけないと連邦政府からキツく言い渡されていた。
そこで彼(と建設に関わった面々)は、15フィートの台座を作ってその上にワシントン・モニュメントよりも3フィート低い塔を建てる計画を立てた。そして、連邦政府には台座の高さを入れずに報告。まんまとワシントン・モニュメントより高い塔を建ててしまった。
テキサス人すぎるエピソードでワロタ。
あの人達にとっては、デカいのは正義なんである。連邦政府を欺いてでもデカくするのが正義、というわけ。やれやれ。
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とにかく、そんなこんなでテキサスに滞在している間に、スペースセンター・ヒューストンの近くにある店舗、リニューアルオープンされる前のルーリングの店舗、それからサンアントニオとオースチンの間にある店舗と、計3店舗のBuc-ee'sに行って、ガソリンを入れたり、BBQサンドイッチを食べたり、お買い物したりしてきた。
良い!
正直、Buc-ee'sって名前も、Buc-ee'sのロゴもマスコットも、なんかチップとデールとかChuck E Cheesを連想させて個人的にはビミョーだったんだよね。だけど、それでもみんなが「Buc-ee's行ったことある?」って言いたくなるのがわかるわーと思った。
デカくてテキサスっぽい
「デカさは正義」のテキサス人にウケないわけがない。
デカさは正義と思ってなくても、テキサス愛がある人には刺さる。あたしにも刺さった。てか、アメリカ南部のほとんどでわりと刺さりそうな感じ。
トイレが綺麗
ホントにトイレが綺麗。日本の感覚だと「当たり前じゃね?」なんだけど、アメリカの感覚ではスゴいんすよ。だってガソリンスタンドのトイレだよ?本当に切羽詰まってるときじゃなかったら絶対に使わないアメリカのガソリンスタンドのトイレが綺麗なんすよ!
実際、2012年にはCintasが行った全米公衆トイレコンテストで1位になったんだそう。
店内で作ってるBBQ商品が良い
ブリスケットサンドイッチ、美味しかった。他にもいろいろあって美味しそうだった。ジャーキーも物凄い種類があって、専門店か?という感じだった。
アメリカのガソリンスタンドで美味しそうに見える食べ物があるのって、結構レアな事象だと思う。
PB商品が充実している
あたしは買わなかったけど、アメリカ人が好みそうなスナックが山ほどあった。ナッツ、トレイルミックス、キャンディ、ドライフルーツ、ポップコーン、ジャーキーなどなど。
BBQソース、ジャム、アウトドアグッズ、コーヒーとかもあった。すごい品揃え。
お土産も充実してる
テキサスグッズがかなり充実していて、あたしもついお土産をいくつか買ってしまった。Buc-ee'sのオリジナルグッズもたくさんあった。あたしは要らないかな…という感じだったけど、好きな人は買うと思う。マスコットのビーバーのぬいぐるみとかは、子供が普通に喜びそう。
お土産的なものが買えるガソリンスタンドなんて、あたしが知る限りは他にないと思う。
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あたしのアメリカのガソリンスタンドに対する印象は、昔からずっと「ガソリンが必要だから行くけど、基本的には好んで行きたい場所じゃない」だった。
今は少しましなのかもしれないけど、場所によっては「給油ポンプでクレカ決済しても大丈夫かな?」と感じることがあるし、そういうロケーションでは現金決済しようと店内に入るとレジが強盗防止のガラス張りになってたりする。それに、危険そうじゃなくても、ガソリンスタンドの従業員ってのは総じてぶっきらぼうで嫌な感じなのよね。
もちろん、きれいで賑わってるガソリンスタンドもある。でもトイレはあんまり使いたくないし、食べ物もできれば別の場所で買いたい、という感じ。
Buc-ee'sはそういうみんなの「なんとなく嫌だなと思いつつも、それが普通なんだと思って文句を言わずに使っているガソリンスタンド」という概念を覆しにかかっていると思う。
「キレイなトイレを売りにしよう!」なんてことを、アメリカ人が、しかもガソリンスタンド経営者が、考えつくなんてあたしゃ思ってもみなかったよ。(ゴメン)
「ガソリンスタンドで売るスナックを自社開発しようぜ!」っていうのも「土産物もオリジナルグッズも大々的に売ろうぜ!」っていうのも、普通そうに見えるけど、アメリカのガソリンスタンド業界では今まで誰も思いつかなかった発想だと思う。
無印良品が出てきたとき、あれって雑貨業界ではありそうでなかった、でも考えてみたら普通の発想じゃなかった?
ユニクロが出てきたときも、あれってアパレル業界ではありそうでなかった、でも考えてみたら普通の発想だったよね?
Buc-ee'sはそういう匂いがする。
でも勇んで「Buc-ee's上場してる??してたら買うわ!!」と思ってチェックしたら上場してなかった。残念。笑
まあそんなもんか。