ギリシャに脱線したけど、もう1回ロンドンに話を戻したい。
別に狙ったわけじゃないんだけど、墓関連でびっくりしたことがあった。
ウエストミンスター寺院である。
ロンドンに行く前、あたしにとってウエストミンスター寺院は「イギリス王室がいろんな儀式をする教会」だった。記憶に新しいとこだと、ウイリアム王子とケイトの結婚式、ハリー王子とメーガンの結婚式、エリザベス女王の葬儀、チャールズ皇太子の戴冠式あたり。こういうニュースでウエストミンスター寺院の映像を見るたび立派な教会だなぁとは思ってたけど、ぶっちゃけそれくらいしか知識がなく、それ以上の印象がなかった。
でも、行ってみたら墓だらけでびっくりした。
しかも、教会の裏に墓地があって…とかじゃなくて、教会の内部に墓が並んでいるんである。これでもかというくらいたくさん。それだけじゃなく、名前と生没年月日だけしか刻まれてないそっけないものから、すごい彫刻像になってるものや、彫刻がすごいだけでなくデザイン自体が独創的なものまで、いろいろあった。ここは墓の博物館ですか?てな感じ。
後で知ったんだけど、歴代の王侯貴族や、国葬扱いになった偉人はウエストミンスター寺院の中に埋葬されるらしい*1。だからこんなにたくさん墓があるというわけ。
たくさんすぎて通路の床石まで墓石になっていて、観光客のみんなにめっちゃ踏まれていた。踏まれすぎて刻まれてた文字や模様が薄くなっちゃってる墓も結構あった。すごない?
現代人にもわかりやすい著名人の墓はさすがにあんまり踏まれてなかったけど、

ダーウィン(左下)、スティーブン・ホーキング(右)
面白かったのは、ホーキング氏の墓にブラックホールのデザインが施されてたこと*3。たまたま横にいたツアーガイドのおじさんが、「みなさん、そこにブラックホールがありますから足元ご注意ください」とツアー客に呼びかけていて、踏まれないように考えたデザインかい!*4と笑ってしまった。
お墓たちの中で一番の見どころは、異母兄弟で王位を争ったメアリー1世とエリザベス1世が、ジェームズ1世(メアリーの息子でエリザベスの後継者)の計らいで隣同士に作ってもらった霊廟。ええ!?この2人が隣同士で?と、結構びっくりした。てか、本人たちもびっくりしたんじゃないだろうか。イマイチだったから写真は載せないけど、等身大の彫刻像がお棺の蓋になっていてゴージャスだった。
見学順路の最後の方には作家セクションまであった。ここでは、壁にはシェイクスピアみたいに彫刻で本人と作品を表現してる墓石がズラッと並び、床にはルイス・キャロルみたいに一言添えた墓石がたくさんあった。

同じセクションの床にいたルイス・キャロル(右上)とC.S. ルイス(右下)
そして、一体誰の墓なのかもう覚えてないけど、個人的に印象に残ったのはこの2つ。

身なりは高貴そうだけどガバっと足を開いて頭蓋骨を踏みつけてるおばちゃん(右)
何を思ってこんな墓石を発注したんだろう?笑
しかし、こんな変わった墓が見れるなんて思わなかったわ。

ウエストミンスター寺院自体もとても荘厳で、装飾も細かくて素晴らしかったし、

期待以上に見どころ満載だった。
ちなみに、王室の結婚式とかの中継でよく見る内部の俯瞰図は、エリザベス女王即位60年記念ギャラリーがあるウェストン塔に登ると見ることができる。写真撮影禁止だったから見せられないけど、素晴らしい眺めだった。ギャラリーの展示自体も良かったから、ウエストミンスター寺院に行くことがあったらこちらもオススメ。
しかし、たぶん一応プロテスタントなんだと思うけど豪華絢爛だし*5、イングランド国教会ってやっぱり独特だねぇ。何でも実際に見てみないとわかんないもんだねぇ。