実は、この間の南海トラフ巨大地震の注意呼びかけ*1があるまで、うちはほとんど防災用の備蓄をしていなかった。
普段から缶詰やレトルトみたいなものは多めに買い置きしてたし、車で10分かからないところに湧き水もあったりする。だから、あんまり危機感がなかった。
でも、改めて考えてみたら、なんの計画性もなくテキトーに買い置きしてある缶詰やレトルトなんて、量的に足りたとしても3日続いたらうんざりするだろうし、栄養バランス的にもよくないに決まってる。湧き水だって、非常時には長蛇の列になって簡単に調達できなくなるかもしれないし、汚れて飲めなくなってる可能性だってある。
……と反省したので、とりあえず1日1人あたり3Lの水と
- 賞味期限が半年以上あって
- 停電・断水状態でもそのまま、またはカセットコンロを使えば食べれて
- 栄養のバランスもまあそれなりに考慮できている
食料を3日分、揃えた。
そして、停電・断水したという想定で、一部を練習がてら消費してみた。そしたらいろいろ気づいたことがあったから、メモっておこうと思う。
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水
行政は1日1人あたり3Lを推奨してるけど、これはどういう計算なんだろう、ホントに3Lで足りるのかなと思っていたんだけど、実践してみたら
- パックご飯を湯煎したあとの水でレトルトカレーを湯煎するとか、パスタを茹でたあとの水でパスタソースを湯煎するなど、使い回せる水は使い回す
- なるべく少ない水で調理できるよう、鍋でなくフライパンを使うとか、パスタは2つ折りにするとか、工夫する
という前提であれば、調理したり飲んだりするのに必要な水の量としては、まあまあ大丈夫っぽいとわかった。具体的に言うと、うちの場合は2人だから1日あたり6Lの水があるところ、1食で調理に使ったり水分として飲んだりするのは1.3~1.5Lくらいで、3食で4~4.5Lくらい使う計算となり、残りは飲料水にする感じになる。
だから、
- 3食中1食は調理不要なメニューにする
- 常温でも飲める他の飲み物も蓄えておく
みたいにすれば、1日1人あたり3Lの水だと少し余るかな?という感じになりそう。1日1.5Lは必ず水を飲みたいとかいう人は、もう少し多めに水を備蓄しておくべき。
あと、今みたいな暑い時期に停電・断水した場合、熱中症予防のためも水は多めにあった方が安心かもしれない。
野菜
うちは母が一応一年を通して家庭菜園でいろんな野菜を作っている。なので、季節によるけど、何か食べられる野菜がある可能性はある。
でも、なにもなかった場合のことも考えて、野菜も摂取できるようにしておきたい。
今回は、一番手軽なのはこれかなぁと思って常温保存ができる野菜ジュースを買ってみた。これね↓
で、常温でも美味しくいただけるのか試してみたら、意外と悪くなかった。ジュースと思うと冷えてないのが若干残念に思えるけど、野菜スープだと思って飲むとまあまあイケる。賞味期限も10ヶ月くらいある。
5.5年保存可能とかいう長期保存バージョンの缶入りもあるけど、そんなに長く置いておけるものって逆になんとなく飲みたくないから、うちは紙パックバージョンで行くつもり。どうせローリングストックしていくんだし、他のメーカーのものも順次試して一番常温でも美味しいものを探したい。
野菜ジュース以外も、レトルトパウチの野菜スープとか、賞味期限が長めの真空パック漬物とか、(野菜じゃないけど)パウチや缶詰の果物も試していきたい。ビタミン大事。
たんぱく質
野菜の次に不足しそうなのはたんぱく質なんじゃないかと思う。非常食は炭水化物に偏りがち。
今回は、うちにはすでにツナ缶もサバ缶もあるじゃん!と思ったんだけど、停電・断水した想定で実際にサバ缶を開けてみたら、美味しくいただけても汚れた缶が残ることに気づいた。災害時でもできればリサイクルのために分別しておきたいけど、断水していて缶を洗えなかったら嫌かも。だとすると、少なくともオイル系の缶詰はゴミ処理という観点からはイマイチかもしれない。
今後は、レトルトパウチの煮魚とか、容器が捨てやすいものを探して試していこうと思う。煮卵とかおでんなんかもレトルトパウチで売ってるし、いいかもしれない。
あと、プロテインゼリーをおやつ代わりにするのも悪くないかも。てか、そう言えばうちはプロテインパウダーを常備してるんだった。あれを常温保存できる紙パックの豆乳とかで溶かして飲めば簡単にたんぱく質を補給できていいんでは。
カセットガス
今回、改めてカセットガスが1本あたりどのくらいの時間使えるのか調べてみたら、強火で1時間くらい持つとのことだった。1食30分として3食とも使うとしたら、1日で1.5本、3日で4.5本(=5本)必要という計算になる。
ただ、今回実践してわかったのは、少なくとも夏は1食30分かからないということ。
- カセットコンロは強火設定じゃなくても結構強火(てか、うちのは弱火にしても結構強火だった)
- 200gのパックご飯には湯煎時間20分と書かれていたけど、15分でOKだった
- パスタの茹で時間は記載通り
- レトルトカレーやパスタソースの湯煎時間は2~3分だけど、パックご飯やパスタを調理したあとに火を止めて熱々の湯に2分突っ込んでおけばOK
- お茶やスープ用にお湯を沸かすとしても必要な量だけ沸かす形なら、大して時間はかからない
今は常温が異常に高い時期だからこうなるのかもしれない。だから、冬はもっと時間がかかる可能性大なんだけど、うちの場合は石油ストーブがあるから、冬に停電したら石油ストーブで暖を取りながら料理できる。
なんにせよ、カセットガスは最低5本必要。
練習の大切さ
今回、備蓄するなら予行練習もしなくちゃと思って、電気と水道水を使わず備蓄食料を食べる練習をしてみたんだけど、これは大正解だった。
どういう手順でやると水を無駄にしないで済むのかとか、常温でも美味しく食べられるのかとか、どういう量が適量なのかとか、小さな気付きがいろいろあった。
例えば、うちはこんなようなことを話し合った。
- カレーや牛丼にして食べるときのパックご飯は1人前200gのでいいけど、ご飯におかずというメニューの場合は少なめの180gの方がいい
- 調理に使った水は、バケツに貯めておいてトイレを流したりするのに使える
- 水道水をペットボトルに入れて備蓄しておくやり方は飲水としてはできないけど、湯煎に使う水とかトイレを流す水とかには十分使えるから、カラになったペットボトルには水道水を入れておく
あと、うちの母は最初「練習て、そんなことまでしなあかんの?」と言っていたけど、終わってからは「やり方がわかったから、あんたがいないときに災害に遭っても自分でできるわ」と喜んでいた。この、災害が来ても何をすればいいのかわかっているという状態は安心に繋がると思う。あたしも安心して旅行に行ける。笑
練習、オススメ。
*1:8月15日時点で注意呼びかけは終了している。