うちのワンコのキウイはもう足腰が弱ってる。だから歩くのが遅いし、すぐによろめいて転ぶ。
よく転ぶようになってきたのはここ数ヶ月の話だけど、昨日また派手に転んでいた。
でも、なぜかいつも大丈夫なんだよね。
あたしは今でも慣れなくて「あぁーーっ!!!!!」とか叫んじゃうんだけど、本人はいつも何事もなかったかのように平気な顔をしてる。
で、昨日考えてたんだけど、なんか「無心」なのがポイントなんじゃないかなぁ。
キウイはもう高齢犬なわけだけど、転んでは起きる姿って子犬みたいなんだよね。「うまく歩けない」っていう自覚がないというか、何も考えずただありのままでいるというか、「無心」としか言えない感じがする。
実は、キウイは2年くらい前に、階段を一番上から一番下まで転げ落ちたことがある。
当時はまだ今より元気で、ご飯の時間になったのが嬉しくてあたしより先に部屋を出て廊下を走っていった彼女は、階段の前まできてあたしのことを振り返った瞬間に後ろ足を踏み外して一気に転げ落ちていった。
あの数秒間の長かったこと。
でも、今思うとちょっと笑えるのが、「キャーーーーーーーー!!!!!!」と叫ぶあたしの目の前でスローモーションで落ちていくキウイに「助けて~!!」みたいな悲壮感が全くなくて、「あれ?」っていう不思議そうな表情しかなかったってこと。
一番下まで落ちたあとも「ん?なんか変?いや、変じゃないか」みたいな感じで、立ち上がったときちょっとよろめいてたけど、あとは何事もなかったかのようだった。
駆けつけたあたしが抱き上げて体中点検して「ここ曲げても痛くない?こっちは大丈夫?」とか言ってるときも「?」っていう顔をしていた。
無心すぎるだろう、お前!
……ってことを思い出していて気づいたんだけど、あたしも転んだのに痛くも痒くもなかったことがあった。
キウイが階段から落ちたあと、あたしより先に部屋から出られないように部屋の入り口に柵を取り付けたんだけど、これに足をひっかけて転びました。ええ。
起き抜けで寝ぼけてたし、取り付けて間もなかったから、柵があることをすっかり忘れてた。で、気づいたらもう転んでて「えっ?……あっ、柵か」みたいになった。
で、不思議なことに、これがどこも怪我しなかったし、全く痛くもなかった。あんまり痛くなかったんじゃなくて、全く痛くなかった。
これって、もしかして全く何も考えてなくて体が完全にリラックスした状態だったからなんじゃないかなぁ。
だってそうじゃないと確実に怪我するもん。
まだアメリカにいた頃、犬に襲われて転んだことがあった。この時は「あっ、この犬ヤバイ!襲われる!」って思ったのとほぼ同時に足に噛みつかれて倒れた。そして腕を怪我した。
噛まれるのも転ぶのもコンマ何秒か前に悟ってて、反射的に体が硬直してたと思う。
反射的な体の反応、全然役に立ってないじゃん!って感じだけど。(笑)
この、意識が体の邪魔をする状況というか意識すると上手くいかない状況、要は「ゾーンに入る」っていうのの反対なわけだよね。
だから逆に言うと、寝ぼけて柵があったことをころっと忘れてた状態は、体が意識に縛られてなかったという意味で「ゾーンに入る」のとなんか繋がるところがあるんじゃないかなぁ。
う~ん、もう少し考えたら自分の意思で自由自在にゾーンに入るヒントが出てきそうな……。
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