ケネディ宇宙センターの話でもう一つ書きたいことがあったから、今日はそれを書いとく。
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ケネディ宇宙センターは広い。一般人が見学できる施設も多くてアトラクション的なものもあり、とても充実している。ヒューストン宇宙センターもいろいろあって楽しいんだけど、ケネディ宇宙センターは本当に1日では消化できない量のコンテンツがある。
その理由の1つは、運営体制とスポンサーにあると思う。たぶん。
ヒューストン宇宙センターのビジターセンターはThe Manned Space Flight Education Foundation(有人宇宙飛行教育財団)というNGOが運営している。企業スポンサーはたくさんついてるけど、ブーズ・アレン・ハミルトンとかペプシとか、直接宇宙に関係なさそうな企業ばかり。
一方、ケネディ宇宙センターのビジターセンターはDelare Northという飲食業系統の営利企業が運営していて、企業スポンサーも実際に宇宙事業をしているボーイング、ロッキード・マーティン、スペースXみたいな企業が名を連ねている。だからたぶん資金も気合も全然違うはず。
実際、ケネディ宇宙センターでは、NASAだけでなく民間企業の宇宙船や宇宙服の展示もあった。個人的にはウッヒョー!てな感じでテンション爆上がり。
既に予約枠が埋まっていてあたしは体験できなかったけど、ニューシェパードは実際に搭乗して宇宙飛行をVR体験できるようになっていたし、
ドラゴンは2012年5月に初の民間宇宙船として実際に国際宇宙ステーションに物資を運んだものだった。その後何回再利用されたのか知らないけど、使い込まれようがすごいし、それを目の当たりにできるのもすごい。
スポンサー企業のアピールはギフトショップにもあった。たくさんTシャツ持ってるから買わなかったけど。
ケネディ宇宙センターの敷地内外の民間企業の存在感は発射台や工場からも見れた。バスツアー中にスペースXの打ち上げがあった話はしたけど、
このバスツアーでは、NASAの発射台だけじゃなく、スペースXの発射台(複数)やブルー・オリジンの発射台も敷地内にあると知ったし、スペースXなんて発射台の横に組み立て工場もちゃんとあったのを見た。
ブルー・オリジンの工場や倉庫はケネディ宇宙センターの斜め向かいにある。ホテルから2日間通った時の道沿いだったんだけど、デカかった。昔アマゾン*1の配送センターの見学に行ったときに巨大さに驚いたけど、
ホントこの人たち、なんでもスケールが大きい。
そして、こういう潤沢な資金やテクノロジーを持っている企業が相手となったら当然なんだろうけど、NASA側も様々な民間企業との提携をめちゃくちゃ推して宣伝している。
例えば、ケネディ宇宙センターのIMAXシアターでこれを観たら、
ものすごくいろんなことをものすごくいろんな企業と実証研究しているとわかってびっくりした。
こういう内容だとわかってたら筆記用具をちゃんと持ってきてノートとったのに!!!というレベル。次から次へと出てくる技術の名前とか会社の名前とか、ぜーんぶ右から左へと抜けていってしまって1つも覚えてない。悔しい。もう1回観たいと思って探したけど、上の予告編しか出回ってなかった。
ただ、一番驚いた技術はこの予告編にも0:46くらいからチラッと出てくるから観て欲しい。ロケットを巨大遠心機に入れて振り回し、遠心力で空に飛ばして上空で噴射させることで燃料を大幅カットする、とかいうシロモノ。
は?なんすか、それ。誰がそんなこと考えて、誰が金出してもいいよって言ったんすか??そしてちゃんと飛ぶんかい!
オドロキすぎて、口があんぐり開いてしまった。オドロキで口があんぐり開くなんて人生で初めてかもしれない。
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昔の宇宙開発って、基本的には国家がやってたから、爆発的な進歩や成長はなかった。人々が宇宙開発の情熱を持っていたって、こういうデカいことは予算がなければなかなか進まない。昔は冷戦の関係でアメリカとロシアが張り合ったから予算がついただけだと思う。
でも今回ケネディ宇宙センターに行って、
そうか、宇宙開発に資本主義という途方もない燃料が投入されたってことか!
ヤバいな、これ!
……としみじみ実感した。
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昨日、メイン*2ブログでこういう殴り書きをしたんだけど、
ケネディ宇宙センターを見ちゃったから、余計に危機感を感じちゃってるのかもしれない。