この間まで奈良に行っていた。
メインは平城宮跡で、それに合わせて明日香の方へも足を伸ばして平城宮に至るまでの飛鳥宮と藤原宮に関する資料館なんかも見てきた。古墳も見てきたから、古墳時代、飛鳥時代、奈良時代の流れがよくわかって面白かった。
今回、個人的な印象として京都と全然違うと思ったのは
- 道がわかりにくいし狭い
- 観光スポットの場所もわかりにくいことがある
- でもその分、地元民が親切ですぐ助けてくれる
だった。知名度やインフラでは京都に遅れを取ってるけど、やる気はあって人で補ってる……みたいな印象。だからか、京都に行ったときは知識不足でアウェー感がすごかったけど、奈良は知識不足でもアウェー感を感じることがなかった。
ただ、平城宮跡のボランティアガイドには閉口した。で、ボランティアガイドのあり方についてちょっと言いたくなったから書く。
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平城宮跡には、たくさんのボランティアガイドさんがいた。朱雀門、南門、大極殿はそれぞれ2人いたし、資料館や展示館にも2人ずついたし、平城宮いざない館では各展示室に1人いた。
朱雀門では、階段を登ろうとしたら「気をつけてくださいねー」と声をかけられ「私ボランティアガイドです、こちらへどうぞ」と門の中央にいざなわれた。なので、朱雀門のウンチクとか、そこから見える南門や大極殿についての説明なんかをしてくれるのかと思ったら「どちらから?」「今日は車で?どこに停めたんですか?」などと聞かれ、「じゃあ残りも車で回るといいですよ」などと言われた。その後も「みはらし館行ってきたんですか?あれは有料?」とか、なんで客に聞く?的なことを聞かれ、結局解説ゼロで終わった。
その直後にいざない館に行ったら「ボランティアガイドがいます。無料ですのでお申し付けください。」みたいなことが書いてあったから、(もういいです…)と思いつつ入ったらバッチリマークされて「どちらからいらしたんですか?」と捕まってしまった。その後も「ここに地図があります」とか「奥にも展示室があります」みたいなガイドと言えないガイドばかりで、(うん、ありがと、見たらわかる、てか落ち着いて見させて~~)と思いつつ、落ち着いて見れないまま次へ向かう羽目になった。
展示自体はとても面白くて良かったから、じっくり見れなかったのがとても悔しい。
そしてその後も似たような展開が続き、昼食後に東院庭園に行ったら朱雀門にいたガイドのおじさんにも捕まってしまい、いいって言ってるのに「スタンプラリーしたらどうですか?」とか勧められた。
結局、なんだかんだ随所で時間を食ってしまい、その後は見る予定だった遺構展示館を飛ばして資料館と大極殿だけを見て帰途についた。
全体としては、平城宮の規模を実感できる敷地と復元建造物を実際に見れたのも面白かったし、発掘で出てきたものから推測した当時の生活や平城京の仕組みなどの展示もとて興味深くて良かった。だからその分、ボランティアガイドのあり方が本当に残念だった。
ガイドの役割というのは、ボランティア・プロにかかわらず、気づきにくい点や説明書きには記載されていない点などを補足して観光客が楽しく見学できるように気を配ることだと思う。その場での限られた時間を、客にとって有意義なものにするのがガイドの仕事。
だから、ボランティアに対してプロレベルの知識を期待してはダメだと思うけど、旅行の下調べでわかっているであろうことや、その場で見てわかるようなことしか言えないのであれば、ガイドは邪魔になるということを運営側は認識すべきだと思う。
それにボランティアの人がおもてなしのつもりでやっているガイドって、客からすると有料ガイドよりも断りにくいんよね。
誰が平城宮跡のボランティアガイドの責任者なのか知らないけど、そもそも説明付きの立派な展示にはガイドなんて基本は不要。あと、客に求められる前から「どちらからいらしたんですか?」と声をかけろというマニュアルを作ったやつは誰だ?と言いたい。行く先々で何度も同じことを聞かれて足止めをくらう客の身にもなってくれ。
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最初にも書いたけど、あたしが遭遇した奈良県民はみんな親切だった。平城宮跡のボランティアガイドの皆さんもガイドのあり方に問題があっただけでみんな親切だった。
旅行していて現地民と話すのは楽しいし、話した相手が親切だと旅行はぐんと楽しくなる。だけど展示を見たいときに世間話してこられても嬉しくないんよ。
ボランティアの人だって生きがいとかやりがいみたいなものを求めてやってるんだろうし、迷惑と思われることをしたいわけがない。だから運営側は人件費云々だけじゃなく、そういうニーズのマッチングをもう少し考えるべき。
頑張れ、奈良。