役に立つかは別として

頭の中にあるゴチャゴチャを出しとけばスッキリするかも

アメリカ人が喜びそうな日本のギフト

昔の知り合いを訪ねるため、9月末にフロリダに行くことにした。

彼らには昔いろいろお世話になったから、お礼も兼ねてお土産を持っていくつもり。それで、何がいいか結構ガッツリ調べたんだけど、あんまりいい情報が日本語で見つからなかったから、結局あたしが何を選んだかを書いて日本語コンテンツに貢献しておこうと思う。

アメリカ人に日本的なものを贈りたいんだけど何がいいか迷っている人がいたら、参考になるかもしれないから読んでくださいませ。

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一応言っておくと、「アメリカ人に喜ばれるギフト」とか「アメリカ人が喜ぶ日本のお土産」みたいなキーワードでググれば、日本的なギフトのアイデアはそれなりに出てくる。

でも、大半は日本の伝統工芸品系か、アメリカで入手にしくいお菓子や雑貨系ばかりで、前者は、

  1. 知識がないアメリカ人には良さや価値がちゃんと伝わらない可能性が高い
  2. アメリカの生活には合わなかったり実用的じゃない可能性も高い
  3. シンプルに相手の好みに合わない可能性も高い

という問題があり、後者は、喜ばれそうではあるけど、価格的にバラマキ土産程度にしかならず、ギフトと呼ぶのは微妙、という感じだったりする。

要は、日本語でググると、贈る側の日本人視点のアイデアしか出てこないからダメなんだと思う。

それで今回は、「アメリカ人たちは日本に行ったら何を買いたいと思っているのか」「日本に来たことがあるアメリカ人は他のアメリカ人に何を買えとアドバイスしているのか」というアングルから、英語でググって調査した。

結果、アメリカ人が日本に行ったら買いたいもの・日本に行ったアメリカ人が買ってよかったと思っているものとして圧倒的な人気があり、かつ、ギフトとしても相応だと言えるものナンバーワンは

有名産地の包丁と判明。

刃物は全般的にウケがとても良くて「刃物なら包丁じゃなくても何でもいいから買え!」とか「爪切りとかもめっちゃイイぜ!」という意見を結構見た。

ちなみに、日本の三大刃物産地は、大阪府堺市、岐阜県関市、新潟県三条市。

そして、あたしが調べた限りの印象で言うと、アメリカ人に一番人気なのは関市の刃物だった。岐阜県の白川郷を見学して関市で刃物を買うという渋いパターンが意外と多いっぽい。次に言及されていたのは大阪。観光地としてアクセスしやすいのも大きいと思う。三条に関しては、残念ながら言及しているコメントは見かけなかった。

それにしてもなんで関の刃物がそんなに人気なんすか?って感じなんだけど、これについては三大産地の成り立ちと特徴を知ったら納得した。

  • 大阪府堺市:古くから鍛鉄が盛んで、刀や鉄砲なども昔から多く生産していた。現在は片刃の和包丁が特に有名で、プロの料理人にも愛されている。
  • 岐阜県関市:鎌倉時代に有名な刀匠が関で刀鍛冶を始め、刀匠たちが集まる地となった。その刀鍛冶技術で包丁も生産するようになり今に至る。
  • 新潟県三条市:雪深い冬に農家が副業として和釘や鍬などの道具を生産し始めたのがはじまり。そこから包丁を含む金物製品全般が有名に。

あー、これは関市のサムライ感がカッコいいんだろう。ググると刀鍛冶してる白装束・烏帽子の刀匠の画像も出てくるし。一方、堺の片刃の和包丁はちょっとハードルが高いのかもしれない。

……てことで、あたしも関の包丁を買うことに決めた。

そして、関の包丁と言ってもいろいろあって迷ったけど、結局買ったのは関孫六のダマスカス牛刀。これ↓

浅い知識しかないあたしの理解が正しければ、刀鍛冶技術云々で言うんなら、たぶん鋼の包丁を選ぶのが正解なんだと思う。でも今回はステンレス系にした。それもダマスカス。そして日本で一番一般的な三徳ではなく牛刀。

なんでか。

まず、あたしは砥石で包丁を研ぐ習慣があるアメリカ人なんて見たことがない。そもそも、アメリカで一般的なのはこういう研ぎ棒だから↓

大雑把な研ぎ方しかできないんだけど、はっきり言ってそれすらちゃんとやってない疑惑しかない。実際、アメリカ人が持ってる包丁なんてろくに切れないことが多いから、あたしはアメリカ人のお家で何か作るときは必ずマイ包丁を持って行ってたくらい*1

だから、今回はあえて手入れが比較的ラクなステンレス系の包丁を選んだというわけ。

そして念の為、関孫六の包丁研ぎ器も買った。本当はちゃんと砥石で研いだ方が長持ちすると思うんだけど、相手はアメリカ人だし、こっちの方がガジェット風でウケるはず。

次に、なんでダマスカス包丁にしたのかと言うと、これはシンプルに見た目がアメリカ人ウケしそうだったから。

ダマスカス鋼はルーツがインドだから、厳密には日本的じゃない。でも、波紋が美しいし、どうやら外国人勢にもとても人気らしい。関の技術で作ってるのには変わりないし*2、喜ばれるならそっちの方がいい。

ちなみに、関孫六を選んだのも、関孫六が関のダマスカス包丁で有名だったからと、漢字のロゴが日本的でアメリカ人ウケしそうだったからという安易な理由。

ウケるの大事。

最後に、三徳じゃなくて牛刀を選んだ理由は、アメリカで一般的に使われてるのは日本で言う牛刀にあたるシェフズナイフだから。「日本ではこの形がポピュラーなんだよ」と言って三徳を持っていくのもアリと思うけど、やっぱり使い慣れてる形の方がいいだろうと思って。

 

なんにせよ、渡すのが楽しみ!

そうだ、お家を訪ねる前にスーパーに寄って、試し切り用のトマトとかも買ってきちゃおうかしら*3

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追記:

ちなみに、化粧品系も「日本に行ったら買うべきもの・買って帰りたいもの」として結構挙がっていた。特に日焼け止め。どうも日本で認可されている最新の日焼け止め成分がアメリカでは認可されていないようで、日本の日焼け止めは評判がいい。

あと、ギフトのアイデアにはならないけど「日本に行ったらユニクロで買い物したい」っていう人が多くて驚いた。アメリカにもユニクロは進出してるけど、日本の方が安いから。なるほどねー。日本のサイズ展開じゃダメな人もいそうだけど。

 

*1:日本から持っていった安物包丁だけど、これまた日本から持っていった砥石で定期的に研いでたから、いつもアメリカ人に「ナニコレ、めっちゃ切れる!」と驚かれていた。

*2:ダマスカス鋼の製法は現代に伝わっていなくて、各社がダマスカスの風合いを別の技術で再現している。

*3:はい、お土産ー!と言って、地元スーパーの袋に入ったトマトだけまず渡したら面白くない?