役に立つかは別として

頭の中にあるゴチャゴチャを出しとけばスッキリするかも

アポロ時代のNASAの人たちの狂気

この間「どうしてもヒューストン宇宙センターに行きたかったからヒューストンまで行った」と書いたので、www.saki-imamura.work

実際どうだったのかも書いとく。

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確かアメリカ行きのフライトチケットを買ったのは1月の始めだったと思う。そしてその後すぐに大まかな日程を決めて、ヒューストン宇宙センターのVIPツアーを予約しようとした。

VIPツアーは午前の部と午後の部があり、前者はアポロ時代のミッションコントロールセンターやISSのミッションコントロールセンターなどを含むツアーで、後者は宇宙飛行士の訓練施設を巡るツアー。それぞれ1人200ドルといいお値段なんだけど、定員10名、所要時間3時間で、一般の人が入れない場所をバッチリガイドしてもらえるから、絶対行きたいと思っていた。特に午後の部。

……のだけど。

予約サイトを見たら、皆既日食当日の4月8日を除いて、その前後10日ほどの予約は見事にバッチリ埋まっていた。それより前はまだ全然予約枠が埋まってないのに……。

つまり「皆既日食のためにテキサスに行こう!ついでにヒューストン宇宙センターにも行こう!」と考える人はあたし以外にもたくさんいて、みんなとっくの昔に予約完了していた、ということ。

ガーーーーーーーン。

なので、仕方なくトラムで行く一般ツアーと館内展示だけで我慢することにした。

一般ツアーは

  1. ロケットパーク行き:アポロ計画で使用されたサターンVが展示されている倉庫へ行くツアーで、入場料に含まれている。予約必要なし。
  2. 宇宙飛行士の訓練施設行き:VIPツアーで行く施設の1つを上から見下ろせるツアーで、こちらも入場料に含まれている。当日予約のみ。
  3. アポロ時代のミッションコントロールセンター行き:これもVIPツアーで行く施設の1つで、入場料+15ドル。事前予約推奨。

というラインナップだったので、3が含まれているチケットを予約した。1と2ももちろん行くつもりだった。

でも。当日行ったら「今日は訓練施設のツアーは全くやってないの、ごめんね」と言われた。

ガーーーーーーーン。

宇宙飛行士訓練施設が見たけりゃ別の機会にもう1回出直して来いってことですか、そうですか……。

正直、出直して来る機会があるのかは疑問なんだけど、いたしかたない。人生なんてこんなもんなんである。

……てことで、当日は開館10時に合わせて入場して、ロケットパーク(サターンV)、スペースシャトル・インデペンデンス、ファルコン9を見学してから館内展示を半分見てランチ、午後はアポロ時代のミッションコントロールセンターを見学してから残りの館内展示を見学、という感じで回った。

そしたら、結局それだけでもうほぼ5時前の閉館時間になってしまった。VIPツアーが取れなかったのは残念だけど、もし取れて半日潰れていたら、その他の展示は全部じっくり見てる時間がなかったと思う。それくらい見応えがあった。

実は事前に、ニール・アームストロングがアポロ11号で月面着陸するまでの話を映画化した「ファースト・マン」と

ファースト・マン (字幕版)

ファースト・マン (字幕版)

  • ライアン・ゴズリング
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3度目の月面着陸には失敗したが、宇宙飛行士たちは無事生還した話を映画化した「アポロ13」を観て予習して行った。

アポロ13(字幕版)

だから余計に感慨深く感じたのかもしれないけど、実際にサターンV、アポロ司令船、月着陸船などを間近で見て仕組みや背景を学ぶと、よくもまあこんなものを作って人類を月に送ったなぁと改めて心底驚く。作ったエンジニアたちも、これに乗って月に行った宇宙飛行士たちも本当にとんでもない人たちだと思う。

以前「狂気に近い執念で人が何かを作り上げてしまうというのが大好き」と書いたけど、

www.saki-imamura.work

アポロ時代のNASAの人たちにも、情熱とか技術革新なんていうなまっちょろい言葉だけでは表せない狂気に近い執念がビシバシ感じられて、めっちゃシビレる。

特に、アポロ時代のミッションコントロールセンターを見るとそれがよくわかる。

今見ると、当時の”最新”設備がどんなに原始的だったかわかって愕然とする

モニターはあるけど、ほぼ紙ベースの世界で、月面の様子もプリントアウトしてある

テレビ画面は白黒で、時間はストップウォッチで測っている

アポロ11号のクルーが月面着陸したときの位置状況を正面画面に映し出してたんだけど、
なんと手動で人物の位置を動かしていた

映画「アポロ13」の中でも、軌道の計算をトム・ハンクス演ずるジム・ラヴェルが手動でやってから自分の計算が合ってるか司令室に確認を依頼し、司令室のメンバーがこれまた紙の上で計算してたんだよね。これにはあたしもビビったけど、本当にそういうノリだった。

人の命がかかってるんだよ?そして実際に大勢が亡くなってるんだよ?それでもやるという狂気。しかもいろんなところが手動。アンビリバボーとしか言えない。

歴代宇宙飛行士のミッションごとの写真
写真に収まらないくらいの数だというのも結構驚いた

……てな感じで、ヒューストン宇宙センターは全面的にムネアツだったんだけど、NASAに関わるいろいろな仕事について説明してたところもいいなぁと思った。

エンジニアと宇宙飛行士以外にも、本当に様々な仕事があるのだとわかる

ヒューストン自然科学博物館でも思ったけど、子どもたちの好奇心や想像力を掻き立てる場所があるっていうのはとてもとても良い。あたしもこういうのがある環境で育っていたら、宇宙関係の仕事をしてたかもしれない。