役に立つかは別として

頭の中にあるゴチャゴチャを出しとけばスッキリするかも

縄文銀座の抽象的な土偶たち

縄文銀座旅行の話の続き。

www.saki-imamura.work

土器の話が長くなって書ききれなかったんだけど、土偶もとても良かった。

どれもなんとも言えない良い造形をしてるんだよね。

国宝「縄文のビーナス」(茅野市尖石縄文考古館蔵)

特に縄文のビーナスなんて、どこからどう見ても線が美しい。めっちゃ好き。

写真ではイマイチわかりにくいけど、これ粘土に雲母の粉を混ぜて表面を磨いて作られてんのよね。つまり、縄文人は5千年くらい前の時点で既に現代で言う「パールやラメが入ったフェイスパウダーを使うと肌ツヤが良く見える」みたいな効果に気づいてたわけ。やっぱさ、縄文人って結構おしゃれ意識が強かったんじゃないかなぁ。

ちなみに、縄文の土偶って壊された状態で出土することが多いらしいんだけど、縄文のビーナスは壊されず寝かされた状態で出土したんだそう。壊さず大切にするっていう前提だったからこそ、こんな傑作が作れたのかもしれない。

ところで、このハート型の顔に吊り目とおちょぼ口っていうパターン、他でも結構たくさんあった。写真撮ってなくて見せられないんだけど、土器にこのパターンの顔がついてるとか、ミニミニ土偶がこの顔してるとか。カワイイ。

始祖女神の像(写真下、左)も、目・鼻・口の作りはちょっと違うけど、ハート型の顔をしている。

国宝「仮面の女神」(左、茅野市尖石縄文考古館蔵)と
重要文化財「始祖女神の像」(右、井戸尻考古館蔵)

仮面の女神は、右足が折れた状態で出土しているんだけど、出土状態から埋められた時点で壊れていたことがわかっている。しかも破片が本体の中に入れられてたんだそう。一体どういう経緯があったんだろう。

一体どういう……と言えば、土偶に見られる縄文の服飾もなかなか興味深い。縄文のビーナスの帽子?にしても、仮面の女神の仮面とシャツ?にしても、始祖女神の像の不思議な模様の不思議な服にしても、一体どういう素材のどういうものを想像すればいいんだろう?全然わからん。笑

あと、どれも肩っぽいところまでしか作ってなくて手がないというのも、ちょっと気になる。手は作るのが難しいパーツだからかな?と最初思ったけど、あんなモリモリ超絶技巧の土器を作ってる縄文人が難しいという理由で手を作らなかったとは考えられない。作れたけど、なんらかのポリシーがあって手は作らなかったんだと思う。

……とここまで書いて思い出したんだけど、そう言えば青森の是川縄文館で見た土偶たちには手があったな!

是川縄文館で見た土偶たちにはちゃんと手がある
真ん中は国宝の「合掌土偶」

てか、土偶は土偶でも青森と長野じゃ全然違うじゃん!顔も全然違うし、長野の方がなんか抽象的。縄文銀座では手足を作り込まないで抽象的にしとくのがお作法だったのかなぁ。

なんにせよ、ロマンだわー。