少し前に、来年は縄文遺跡や資料館を巡るぞ!と書いたんだけど、
その後、「旅するジョウモンさん」という縄文展が愛知県の豊田市博物館で開催されているという情報をネットで見かけ、
hakubutsukan.city.toyota.aichi.jp
豊田市かあ、トヨタ自動車の街だよね、他にも見るところあるのかなぁ、と少し調べてみたら、「アイヌの美しき手仕事」という特別展が豊田市民芸館で開催されていると知り、
うわー、アイヌも縄文を一番継承してると言われてる民族として注目してたんだよ!と一気にテンションが上がったから、さっそく豊田市に行ってきた。
博物館も民芸館も両方良かったんだけど、今日はとりあえず博物館の「旅するジョウモンさん」のことを書いておく。
この特別展は、縄文中期に生きた「ジョウモンさん」が日本各地を旅して見聞を深めていったという設定で構成されていて、縄文土器の地域差をもう少し知りたいと思っていたあたしにはうってつけだった。
九州・奄美地方は縄文時代から弥生っぽい比較的シンプルな形だったんだねー。やっぱりその時代からすでに大陸の影響を受けてたんだろうか。
あたしが大好きな火焔型土器は北陸だけど、関東や中部も文様が結構モリモリになりがちなんだなぁ。
実物がずらずら体系立てて並べてあるところでこういう違いを見ると、本当にわかりやすい。写真で見てるだけとは雲泥の差だと思う。
雲泥の差と言えば、今回展示されていた火焔型土器ちゃんたちがスゴかった。
こんな綺麗に作られてるの?!と驚愕しかない。めちゃくちゃ美しい。高さ30cmくらいだったと思うんだけど、間近でいろんな角度から見ると本当にスゴイ。大した道具もなかったはずなのに、一体どうやって作ったんだ。
そしてこっち↓は、たぶん高さ50cmくらいあったと思う。
こんな巨大なモリモリ土器があったなんて信じられなくて、ナニコレ!?!?と叫んでしまった。実物大で見せられないのが悔しいくらい。こんなにデカい火焔型土器がこんなに力強く美しく作られていて、それが今現在残ってるってすごくない?
そして、なんらかの流儀やルールがあったのがよくわかるのがこちら↓
同じデザインでいろんなサイズがあると、なんとなくカワイイのはなぜ?笑
あと、今回初めて水煙文土器というのがあることを知った。水が湧き出てるように見える文様だからだそう。
胴の部分が上の火焔型土器たちに比べて雑なんだけど、上部を頑張って作ったら力尽きちゃったのかなぁ…という感じがしてちょっと親近感が湧く。
代表的な水煙文土器は長野の曽利遺跡から出土してるそうで、曽利式とも言うらしいんだけど、長野、山梨、伊豆の辺りで見られる形なんだって。北陸は火をモチーフに、西関東は水をモチーフにしてみんなせっせと土器を作っていたなんて、やっぱり地域アイデンティティになってたんじゃないかなぁ。何千年も経ってから、関東でジャイアンツ柄が発掘され、中部でドラゴンズ柄が発掘され、関西でタイガース柄が発掘されるみたいに(←違う)。
ちなみに、「旅するジョウモンさん」は図録もあったから買ったんだけど、これも良かった。出展品の写真とともに地域ごとの流儀の説明があって、全国の縄文資料館の情報も掲載されていて、来年どこに行こうか考えるときに大いに参考にできそう。
イイね、イイね。