役に立つかは別として

頭の中にあるゴチャゴチャを出しとけばスッキリするかも

アウェー感がすごかった京都

ちょっと京都に行っていた。

旅行客が少ない間に一度京都に行っておきたいなあと前から思いつつ実行できてなかったんだけど、政府が10月11日から全国旅行支援を開始する、外国人観光客の入国規制も緩和するって言い出したから、こりゃいかんと思って急いで。

でも、よく考えたら、今回あたしが行きたかった場所はどちらかと言うとマイナーなところばかりで、外国人観光客とか県外観光客とかあんまり関係なかったかもしれない。だから別に急いで行かなくても良かったかもしれないんだけど、まあとりあえず見たいものは見てきたし、それなりに楽しかった。

ただ、今回の京都ではアウェー感と勉強不足感をすごく感じたから、ちょっとこの辺で気づいたことを書いておこうと思う。

 

京都は大観光都市のわりには、観光名所や博物館での現地説明が親切じゃない。

基礎知識くらいあるでしょという前提なのか、詳しく学ぼうなんて思ってないでしょという前提なのか、日本の中心にいた歴史が長すぎて簡単には説明できないんですよという前提なのか、その辺はよくわからないけど、とにかく説明が少ないし、あっても基礎知識がある人向けで小難しかったりする。

詳しい説明や多国語での説明についてはQRコードを読み込んで別途ゲットしてね!というパターンはまあまああったから、説明を惜しんでいるわけではないと思うけど、あたしが今まで他の日本の観光地で見てきたような、何も知らない人でも簡単に学べるような説明や展示の仕方は、今回あたしが見てきた限りでは、京都にはなかった。

要は、地元民の常識というか知識レベルが高くて、そのレベルで説明や展示をされるとあたしみたいな低レベルの人には難しいということなんだと思う。

 

例えば、今回京都御所に行ってガイドツアーに参加したんだけど、ツアー中ずっと

「小御所会議ってありましたやろ、あれ、ここですわ」「あー、あれが」

「この庭は昔は木がもっと低くて借景として如意ヶ嶽が見えたんですわ」「じゃあ天皇さんはここから大文字焼き見はってたんですか」「そうです」

……てな感じで、いちいち「小御所会議って?」「如意ヶ嶽って?」みたいにひっかかってたあたしの知識レベルは、ガイドさんが想定しているツアー参加者の知識レベルと比べても、実際の(京都弁)ツアー参加者の知識レベルと比べても、明らかに足りていなかった。

ちなみに、たまたま京都御所のあとに京都文化博物館に行ったら新選組展をしていて、小御所会議がなんだったのかはここで判明したんだけど。

しかし、その新選組展も難解で、たぶん京都民はみんな、地元で起こったことについての概要なんて説明してもらわなくてもわかってるんだろうなぁとしみじみ感じされられる展示だった。

だっていきなり「勝五郎は宮川久次郎の三男として生まれる」みたいな説明で始まるんだもん。勝五郎って誰?というレベルのあたしは、しばらく誰の話をしているのかわからないまま展示を見ていく羽目になった。

結局「近藤周助の実家である嶋崎家の養子になり、嶋崎勝太と改めた」という説明で、ん、近藤?となり、「のちに嶋崎勇と名乗るようになった」という説明を読んだところでようやく、近藤勇のことか!とガッテンした。なんすか、この推理を強制するパターンは。笑

いや、たぶんあたしのレベルが低すぎるんだろうけど、「勝五郎(のちの近藤勇)」って一言書いておくことを全く思いつかない京都人って、逆にレベル高すぎじゃないですか?

あと、展示はほとんどが、誰かが誰かに宛てた手紙とか、当時の日記とか、そういうものばかりで、あたしは原文なんて全然読めないから、「◯◯と書いてある」とか「◯◯だったことがわかる」とかいう説明だけ読んでたんだけど、ちゃんと原文を読んでいるっぽい人を数人見かけた。えっ、読めるんですか!!

他の博物館でも、実際に古文書を読んでる人なんて見かけたことがない気がする。京都人恐るべし。

京都人と言えば、新選組展では、着物で来ている人を3人見かけた。あたしよりちょっと年上くらいで、女性が2人、男性が1人、みなさんそれぞれ1人で来ていた。全員普段着っぽい着物で、ちょっとふらっと立ち寄りました的な雰囲気だった。

博物館に着物で来る人なんて初めて見たよ。それも一度に3人も見るなんて。

でも年齢層が高かったというわけでは決してなくて、若い子たちも来ていた。新選組の諸事件が起こった場所が記された地図の周りに群がって熱心に話してたから、やっぱり土地勘があると、あの事件ってあそこであったの!?みたいな実感があって面白いんだろう。そして、そういうふうに興味を持った子たちはもっと地元の歴史に詳しくなり、京都民の知識レベルを維持していくんだろう。

 

なんにせよ、日本の(というか、歴史が長い国での)観光を楽しむポイントは予備知識なんだというのをめちゃくちゃ実感した。予備知識のレベルで楽しめる度合いが大きく変わってくると思う。

もっと勉強したい。する。

 

 

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